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推進工事・下水道工事の安全を支える埋設物調査|
施工前後に行う地中探査レーダの重要性

インフラ整備事業 2026.08.03

推進工事・下水道工事の安全性を高める地中探査レーダ

推進工事や下水道工事などの地下構造物工事では、施工前に既設埋設物の位置を把握するとともに、施工後に地盤や路面下へ異常が発生していないか確認することが重要です。

地下には、下水道管、水道管、ガス管、通信ケーブル管など、さまざまな埋設物が存在します。
しかし、既存図面と実際の埋設状況が一致していない場合や、図面に記載されていない管路・地下構造物が見つかる場合もあります。

さらに、推進工事やシールド工事、立坑工事では、施工に伴う土砂の流出や地盤の緩みが、路面沈下や道路陥没につながる可能性もあります。

こうした地下の「見えないリスク」を把握する方法の一つが、地中探査レーダを用いた埋設物調査・路面下空洞調査です。

本コラムでは、地中探査レーダを活用した施工前の埋設物調査と、施工後の空洞・地盤確認について解説します。推進工事や下水道工事に潜む「見えないリスク」と、事故防止・施工品質向上につなげるための調査の重要性をご紹介します。

地下構造物工事で注意したい「見えないリスク」

地下工事では、施工箇所だけでなく、施工ルート周辺の地盤や既設埋設物への影響も考慮する必要があります。
👉特に注意したいのは、次のようなリスクです。

これらの異常は地表から確認できない場合があり、工事中だけでなく、施工完了後に路面沈下や道路陥没として現れる可能性があります。
そのため、安全で品質の高い施工を実現するためには、「施工前に地下の状況を調べる」「施工後も周辺への影響を確認する」という視点が重要です。

地下工事に伴う道路陥没事故の事例

地下工事周辺で道路陥没が発生すると、道路交通だけでなく、水道、下水道、ガス、電気、通信などのライフラインや、周辺建物にも影響が及ぶ可能性があります。

広島市で発生した下水道シールド工事に伴う道路陥没
(2024年9月)

【事故の影響】
道路の陥没範囲は東西約40メートル、南北約30メートル、最大深さ約2メートルに及び、下水道管、水道管、ガス管、電線、通信ケーブルなどが損傷。
この事故で周辺家屋が傾く被害や断水等が発生するなど周辺建物にも被害が発生した。

【復旧まで】
地盤沈下の計測やボーリング調査、道路沿いのレーダ探査などが実施され、周辺地下にほかの空洞や異常がないか確認された。

名古屋・緑区で発生した水道管工事に伴う道路陥没
(2025年2月)

【事故の影響】
深さ約11〜12メートルまで掘削する水道管改修工事の現場周辺に穴が空く陥没が起き、そこに乗用車がはまり動けなくなる。(けが人はなし)

【復旧まで】
発生から約8時間後の同日午後4時に舗装復旧と通行止めが解除された。

上記のような事例だけでなく、地中内の見えない埋設物や埋設管工事に起因する事故は、各地で発生しています。
なかでも水道管補修工事では、漏水や管破裂などの影響によって周辺地盤が緩み、道路陥没や舗装の沈下、周辺設備への影響(断水や通行止めなど)を招くケースがあります。
国土交通省の「水道管補修工事 事故」報告資料においても、こうした事故例が示されており、埋設物を事前に把握する調査の重要性に加え、施工後の確認調査の必要性も改めて示されています。

この事例からも、地下工事では施工箇所だけでなく、施工ルート周辺の地盤や埋設物を継続的に確認する必要があることが分かります。

掘削・試掘前に埋設物を把握する地中探査レーダ

下水道工事や地下構造物工事では、施工前に既設管や地下構造物などの位置を把握することが不可欠です。
一般的には、竣工図や埋設物台帳などの資料を確認したうえで、必要に応じて試掘が行われます。
しかし、図面と実際の埋設状況が一致していない場合や、想定していなかった埋設物が存在する場合もあります。
また、試掘だけで広い範囲を確認しようとすると、時間や費用がかかるだけでなく、掘削時に既設管やケーブルなどを損傷させるリスクもあります。

そこで、施工前の確認手段として活用できるのが、地中探査レーダです。

地表面から電磁波を送信し、地中の物体や地層の境界で反射した波を解析することで、道路を掘削せずに埋設管や地下構造物などの位置を調査します。

地中探査レーダを事前に実施することで、次のような効果が期待できます。

ただし、地中探査レーダは地下にある物体を直接撮影するものではなく、電磁波の反射状況から地下の異常や埋設物の可能性を判断する調査です。

そのため、現地条件や探査結果に応じて、既存資料の確認、現地マーキング、試掘などと組み合わせることで、より確実な埋設物確認につながります。

推進工事・立坑工事前のリスク把握

特に、次のような場所では、事前の埋設物調査が重要になります。

・上下水道管やガス管が集中している道路
・交通量が多く、試掘できる時間が限られる場所
・過去の工事履歴や地下埋設物の資料が少ない場所
・既存図面と現地状況に相違がある場所
・発進立坑、到達立坑の設置を予定している場所

事前調査によって地下の状況を可能な限り把握しておくことは、施工ルートや立坑位置、試掘位置などを検討するうえで重要な判断材料となり、工事関係者の安全確保や施工中のトラブル防止にもつながります。

施工後も路面下空洞探査が必要な理由「施工品質を見える化」

施工前の埋設物調査だけでなく、施工後の路面下空洞探査にも活用できます。
推進工事やシールド工事、立坑工事では、施工に伴う土砂流出や地盤の緩みにより、地下に空洞や異常が生じる可能性があります。

こうした異常は、必ずしも工事直後に路面へ現れるとは限りません。
時間の経過や降雨、車両荷重などをきっかけに空洞が拡大し、将来的な路面沈下や道路陥没につながる恐れもあります。

施工後に地中探査レーダを実施することで、次のような箇所を面的に確認できます。

例えば推進工事後に探査を実施することで、「土砂流出による空洞化」「 路面下の異常」などを面的に確認できます。 
 
また、この調査結果は、 「施工品質の証明」 「発注者への説明資料」 「 将来的なリスク低減」 などに活用でき、「施工による地下への影響がないこと」を客観的に示すための重要な品質管理の一つです。

国土交通省が実施した下水道管路の全国特別重点調査では、2026年2月末時点で1,326kmの空洞調査が行われ、地盤中の空洞が96か所確認されました。確認された空洞は、いずれも対策が実施されています。

工事による影響の有無を確認する資料としても活用できます。

施工前後の探査結果を比較するメリット

可能であれば、工事前と工事後に同じ範囲を調査し、探査結果を比較する方法が有効です。

ただし、地中探査レーダのみで空洞の有無や大きさを確定できるとは限りません。
異常反応が確認された場合は、削孔、スコープ調査、試掘などの二次調査を実施し、空洞の有無、深さ、広がりなどを確認します。

まとめ|「施工前に調べる」「施工後も確認する」で安心を提供

地下工事では、事故や道路陥没が発生してから対応するのではなく、施工前に地下のリスクを把握し、施工後も周辺に異常がないか確認することが重要です。

空洞は、路面上から目視するだけでは発見できない場合があります。

そのため、地下構造物工事における埋設物調査や空洞探査は、単なる事前確認ではなく、事故を未然に防ぎ、工事の安全性と施工品質を支えるための重要な工程といえます。

下水道工事や推進工事、シールド工事、立坑工事、その他の地下構造物工事において、施工前の埋設物確認から施工後の空洞確認まで、地中探査レーダを活用した安全・品質管理をご検討ください。

▼空洞調査ついてはコラム「路面下の空洞化は地盤沈下・道路陥没に発展!」をお読みください。

▼以下コラムもおすすめです。ご参照ください。
・「事後保全」から「予防保全」へ~ 下水道管・埋設管の定期点検で事故やトラブルを未然に防ぐ~
・老朽化した埋設管を取り換えずに延命!!~非開削・耐震・防食の更生・修繕工事~
・工場の埋設管調査~地下のブラックボックス化を解消~

東産業では地中探査レーダによる調査で、万が一、空洞や埋設管の不具合が確認された場合には、状況に応じて更生工事・修繕工事・開削工事などワンストップで対応いたします。

▲空洞探査特設サイト(外部リンク)はコチラをクリック▲

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