インフラ整備事業 2026.05.09

近年、民間工場のお客様を訪問する中で、「埋設管の位置を正確に把握したい」というご相談が増えています。
日常の操業は問題なく回っているものの、いざ工事や更新、レイアウト変更を検討する段階になると、
といった地下に対する不安が一気に顕在化します。
多くの工場では、地下設備が長年にわたり少しずつ手が加えられてきた結果、 地上は把握できていても、地下は十分に整理されていない状態になりがちです。これがいわゆる、地下の“ブラックボックス化”です。
これらの課題は地中探査レーダによる埋設管調査(非破壊調査)によって解決が可能です。
本コラムでは、こうした背景から高まる埋設管確認のニーズに着目し、地下がブラックボックス化してしまう理由と、その解決手段として注目される地中探査レーダ(空洞探査レーダ)の活用について、民間工場の視点で解説します。
背景として多くの工場では、長年の操業の中で、設備増設やレイアウト変更、排水管・雨水管の増設、さらには応急対応的な配管改修が繰り返されています。
しかし、その一方で情報管理が追いつかず、地下の状況が把握できなくなっています。
👉 これが「地下のブラックボックス化」です。

その影響として以下の3つが挙げられます。

設備増設や配管改修が行われても、その内容が図面に反映されないまま使われ続けているケースがある。
結果として、図面と実際の地下状況が一致しない状態となり、地下が把握しづらくなる。
地下設備の情報が、経験や記憶に基づく口頭の引き継ぎに頼ってきた場合、正確な位置や状況が記録として残らない。
そのため時間の経過とともに情報が曖昧になり、誰も正確に説明できない状態が生まれる。


ベテラン担当者の退職や異動により、地下設備に関する知識が十分に引き継がれないまま、世代交代が進んでいる。
その結果、地下の状況が分からないまま運用されている。
これらのケースは一例ではありますが、いろんな要因が重なって「地下に何が、どこにあるのか分からない」状態になっています。
「地下に何があるか分からない」状態そのものがリスクです。
実際に、東京都水道局においても、地下埋設物や埋設管の正確な位置把握は重要な課題として位置づけられています。
※出典:東京都水道局「水道事業における技術課題一覧」
https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/waterworks/kadailist00_05
埋設位置情報の不正確さや想定外の埋設物が、工事中の事故や設計変更の原因となるケースが多いことが指摘されています。
このような背景から、掘削を行わずに地下の状況を把握できる技術の必要性が高まっています。
こうした課題は、公共インフラだけでなく、民間工場においても例外ではありません。
実際に民間工場のお客様を訪問すると、以下のような声を多く耳にします。
「工事のたびに、埋設管に当たらないか不安になる」
「この辺りに配管があったはずだが、正確な位置が分からない」
こうした不安は感覚的なものではなく、具体的なリスクとして現場に存在しています。
| 想定される場面 | 起こりやすい問題 | 現場への影響 |
|---|---|---|
| 工事・掘削作業 | 想定外の配管に接触 | 工事中断・工程遅延・仕様変更 |
| 老朽設備の更新 | 配管位置が不明 | 追加調査・コスト増 |
| 社内説明・稟議 | 判断根拠が示せない | 意思決定が進まない |
特に近年では、工場設備の老朽化が深刻化しています。
したがって、地下リスクへの関心の増加から、事故やトラブルが起きてからではなく、工事前・計画段階で地下状況を整理したいという、早めにご検討くださるお客様が増えてきました。
埋設管確認の手段として注目されているのが、地中探査レーダ(空洞探査車・ハンディ型)です。

地中探査レーダは、地表から電磁波を照射し、その反射波を解析することで、地下の状況を可視化する調査手法です。
埋設管の有無や位置だけでなく、配管周辺に発生している空洞を、掘削を行うことなく非開削(土を掘り起こさず)で確認できます。

ロードビジュアライザーは、時速80kmで走行しながら2.5㎝間隔のデータ取得・測定が可能です。
※車載型路面下空洞調査システム ロードビジュアライザー(NETIS:KT-170089-A)

埋設管調査の過程で、配管周辺に空洞が発見されるケースもあります。
1回の調査で「配管+空洞」の両方を把握できることが大きな強みです。
ハンディ型の地中探査レーダは、小型・軽量のため、探査車では対応が難しい狭い場所や既存設備の周辺、稼働中の工場敷地内でも柔軟に対応できます。
※面的把握には複数測線での探査が必要であり、路面画像の取得には対応していません。



埋設管の調査を目的として実施した結果、
という他の不良やトラブルが発見できるケースも少なくありません。
つまり地中探査レーダは、「地下インフラ全体の状態を一度に把握できる手段」として活用することができます。
排水管・給水管・ガス管・電気配管・通信ケーブルなど、敷地内に埋設されたさまざまな埋設物を対象に、効率的な調査を行うことが可能。
従来は、地下状況を把握するために試掘や目視確認が必要でしたが、地中探査レーダを活用することで、併せて工事前の事前調査や設備更新計画の精度を高めることが可能になります。
そのため、工場・プラント・敷地内道路・駐車場など、埋設管や地下インフラが複雑化している場所を中心に、地中探査レーダによる活用機会が増加しています。
▼空洞調査ついてはコラム「路面下の空洞化は地盤沈下・道路陥没に発展!」をお読みください。
▼以下コラムもおすすめです。ご参照ください。
・「事後保全」から「予防保全」へ~ 下水道管・埋設管の定期点検で事故やトラブルを未然に防ぐ~
保全担当者の方々からは、次のような声も聞かれます。
地中探査レーダによる調査結果は、社内説明資料としての活用や工事業者との事前共有、判断根拠の明確化といった面でも有効的です。
台帳をもとに作成した図面に、埋設管の調査結果を重ね合わせて表示。
図面と実際の埋設位置のズレや干渉箇所を明確に把握できます。

調査例「無電柱化事業の効率化(事業費削減・工期短縮・手戻り防止)」
電線共同溝設計図面と埋設管情報の重ね合わせによる干渉チェックで敷地内の3D埋設管マップ作成

埋設物の位置関係を把握
埋設管調査結果をもとに、地下に広がる敷設状況を3次元で再現。
位置関係や深度を直感的に把握できます。


地下インフラの問題は、放置していても自然に解消されることはありません。
図面が十分に整備されていなかったり、記録が残っていなかったり、担当者が変わっているといった状況が重なることで、地下の実態が分からないまま年月だけが経過してしまいます。
こうした状況こそ、一度立ち止まって地下を可視化するタイミングとも言えます。
工場の地下がブラックボックス化している今、「まずは埋設管を把握したい」「掘らずに確認できる方法を探している」というニーズは確実に高まっています。
空洞探査技術は、埋設管確認を起点に、地下インフラ全体を一度整理・棚卸しする手段として活用することができます。
地下状況を把握しておくことで、以下の効果も期待できます。
東産業では地中探査レーダによる調査で、万が一、空洞や埋設管の不具合が確認された場合には、状況に応じて更生工事・修繕工事・開削工事などワンストップで対応いたします。
▼更生・修繕工事については過去コラムをご参照ください。
・老朽化した埋設管を取り換えずに延命!!~非開削・耐震・防食の更生・修繕工事~

▲インフラ整備事業へのサービス一覧はコチラをクリック▲
工事前の確認や、地下状況に不安を感じている場合は、専門業者による調査を通じて地下の“見える化”をご検討してみてはいかがでしょうか。
まずは気軽にお問い合わせください。
ハッシュタグから記事をさがす