インフラ整備事業 2024.02.21

都市部や地方の道路などで路面下の「空洞化」が、道路陥没発生の原因となっていることをご存知ですか?
この問題は、地下に存在する空洞が道路・路面上の安定性を損ない、最終的には大規模な陥没を引き起こす可能性があることから、都市計画と災害対策の観点において深刻な課題となっています。

これは公道(道路)に限ったことではなく、工場の敷地内(工場建物内含む)、駐車場、建物外構、私有地の敷地内などすべての路面下に起こりうる問題です。
地盤沈下・道路陥没のリスクを最小限に抑えるために、地下インフラのストックマネジメントの一環として適切な予防策、定期的な調査が必要となります。





今回のコラムでは、空洞発生のメカニズムと空洞調査の必要性をお伝えし、今後のストックマネジメント計画策定や危機管理対策(BCP対策)としてご紹介いたします。
冒頭でもお伝えしましたが、陥没は路面下の「空洞」が大きく影響しています。
様々な原因で地下の空間が形成されてしまい、降雨や地下水上昇により徐々に空洞が拡大、地表面近くまで到達すると、陥没が発生します。

空洞化とは、道路や構造物の下にある地盤が流出・緩み、内部に空間(空洞)が形成される現象です。 特に上下水道管の老朽化が進む地域では、漏水や土砂流出をきっかけに空洞が発生しやすくなります。
| 主な理由 | |
| 自然生成 | ・自然に発生した空洞 ・地下水の浸透 ・水みち ・パイピング |
| 人工空洞 | ・地下工事やトンネル建設 ・地下埋設物(排水管、下水管)などインフラ施設の老朽化や破損 ・埋設物・管渠の老朽化による土砂の流失 ・埋め戻し材の締固め不良などの人為的ミス など |
| 発生しやすい時期 | 夏季、降雨時・降雨後 |
| 発生しやすい状況 |
地震発生時 |
陥没や空洞化の発生原因の多くは「埋設管・管路の老朽化」といわれています。
供用後25~30年以上経過した管での陥没発生事例が多く、さらに下水管敷設後30年を経過すると道路陥没のリスクも拡大します。
特に起きやすい箇所は「陶管、次にコンクリート管、取付管、またその接続部」です。

降雨が地表から浸透し、埋設管の破損部分より水とともに土砂が流入する


地下水位が上昇し、地盤部分が不安定になり埋設管内に地下水が流入する


管内が地下水で満水となり、降雨が落ち着くと、管内の水が管外へ流出し、ゆるくなった地盤と空洞で路面陥没が発生する
もし陥没した場合、埋め戻しや補修工事等の復旧時間やお金がかかるだけでなく、
交通の混乱や周辺施設への被害に発展し、地域全体に影響を及ぼします。
残念なことに、空洞の状況は直接見ることができません。
それを見つけるために一番最適な方法が「空洞調査」です。
地盤陥没の発生を未然に防ぐためには、定期的かつ効果的な空洞調査が不可欠です。
最新の地下調査技術(マッピングシステム)を活用し、地下構造や地盤の変動を的確に把握することで、問題の早期発見と予防が可能となります。

空洞調査とは?
路面を掘削することなく、地中の空洞やゆるみを把握する調査です。
代表的な方法として地中レーダー探査が挙げられます。
地中レーダーは、電磁波を地中に照射し、反射波を解析することで、空洞や地盤の異常を可視化する技術です。

空洞の可能性のある異常信号位置を、地中レーダと同期したラインスキャンカメラで、道路表面との位置関係を分かりやすく表示します。
地中レーダで捉えた異常位置を道路上に表示し、迷わず迅速に確認可能。
高解像度でマンホール文字も読み取れる。(例:「汚水」)

AIで解析・スクリーニング行います。これにより、解析の迅速化と高品質な結果を得られます。
技術者が空洞や道路陥没の可能性を判断し、適切に報告します。

AIを用いた路面下空洞探査車で取得した測定データ(地中レーダ・GNSS・映像)を、4G/5G回線で即時で現場からクラウドに送信します。
送信後すぐ、自動的にAI解析が始まり、解析結果はブラウザで確認・評価できます。これにより、従来より解析結果を大幅に短縮します。

・探査速度:最高80km/h(自走式)
・探査幅/ 探査深度:幅1.8m / 深度2m 程度※1
・データ収録密度:2.5㎝間隔
・探査能力:
50cm(幅)×50cm(長さ)×10cm(厚さ)以上の空洞
・路面映像撮影装置搭載
※1 地盤条件、地盤の飽和度によって異なります。
通行規制は不要。一般車両とともに走行しながら測定可能です。また、速度関係なく、2.5㎝間隔でデータを取得・測定できます。


ハンディ型は凸凹した地面でも走行できます。
アンテナ部分がカート本体と分かれているため、多少の段差があっても地面にしっかりついて動き、高品質なデータを取得できます。
画面の輝度が高いため、直射日光の強い環境下でも確実に画面を操作できます。
・搭載アンテナ:350MHz(周波数)

【調査箇所】 基本的にはあらゆる所で調査可能です。 舗装されていない砂地、芝生、土などでも調査できます。 ※ただしレーダの性質上、路面に滞水がある区間は不可、鉄筋コンクリート舗装区間・スラブ路盤区間(状況による)については探査精度が落ちる場合があります。 空洞以外にも、地中の埋設管やケーブルなどの調査にも同じ技術が活用されています。 埋設管状況を三次元に調査することで不明管・不明経路の埋設管マッピングを実用化しています。
従来の調査方法は、下記の図のように補修までの工程が多く、対応に遅れがでます。
マッピングシステム手法は工程が少ないので、補修までの対応が早く、さらに大幅なコストダウンも見込めます。

調査結果次第で、修繕計画を決めます。
空洞のみもしくは埋設物がない場合は、掘削し、埋め戻し工事を行います。
埋設物がある場合は、二次調査のTVカメラ調査を実施し、不良が見つかった場合は更生・補修工事を行います。


管内の異常箇所を特定するためにTVカメラ車を使用します。
管内調査で、より明確な不良状況や場所を確認できます。
【適用範囲】幅広いサイズの管径に対応
Φ150mm ~Φ2200mm
オメガライナー工法やSPR工法などの更生工事は管の耐震化にも有効です。




管の不良状態に合わせて非開削、開削での部分修繕、各種更生工事を選ぶことができます。
▼詳しくは下記コラムをご覧ください。
路面下の空洞化は、目に見えないまま進行し、地盤沈下や道路陥没といった重大事故につながります。
空洞調査(空洞探査)を計画的に実施することでインフラの安全確保だけでなく、BCP対策・維持管理コストの最適化にも直結します。
短期的ではなく、長期的に予防措置の徹底と定期的な保守管理を実施し、周辺環境や職場環境の安全を確保していきましょう!
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