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道路陥没・下水道管の劣化から起こりうる事故
~減災調査で大規模事故のリスク回避!~

インフラ整備事業 2022.06.15

全国的に進む水インフラの老朽化と課題

全国各地の道路や水路など水インフラの老朽化が原因の事故報道を最近でもよく目にします。
そのニュースを見るたびに進む老朽化の深刻さを感じます。

事故にはそれぞれの原因が考えられますが、大小関係なく事故が発生してしまうと私たちの生活にも影響を与えます。最悪の場合、人が巻き込まれる恐れもあります。
常に自分たちも巻き込まれるかも…と思っていたほうが良いかと思います。

今回のコラムでは、経営者様、事業所、行政、自治体などの施設責任者様に事故により起こるリスクを知っていただき、老朽化対策の重要性を理解したうえで、今後の減災対策のヒントとしてご活用いただければ幸いです。

これまでの水インフラの老朽化による事故事例
「事故の原因」と「事故による影響」

博多駅前 道路陥没事故(2016/11/8)


福岡市地下鉄七隈線のトンネル延伸工事にて岩盤層を掘り進めていたトンネル上部の地盤が割れ、地面と岩盤層の間にあった地下水や土砂が坑内に流れ込んだことが原因で、上部地盤が崩落。
(縦横約30メートル、深さ約15メートルの一つの巨大な穴が開く)

【事故の要因】
●工事の地盤調査の誤り
●地盤のもろさ
●トンネル上部の岩盤層の厚さが、想定より薄くなっていた
●岩盤層の内部に小さな断層や多くの亀裂があったことにより、地下水の水圧に岩盤が耐えられなかった
【事故による影響】
陥没現場周辺道路の通行止めと周辺ビル避難勧告。
道路直下に埋設されていた水道・ガス・上下水・電気・通信の各管も大規模な損傷を受け、現場を中心に約800戸の施設が停電するなどのライフラインの遮断。そのため周辺の営業施設に影響。

六十谷水管橋 腐食による崩落(2021/10/3)

弓形の梁(はり)と水道管をつないでいる吊り材腐食部分が破断。
それが芋づる式に起き、下の水道管が折れ曲がり、梁(はり)も折れ曲がった。18本ある吊り材のうちの10本に腐食と破断し落橋した。

【事故の要因】
●大気中のごみ、鳥の糞、潮風による腐食
●腐食部分への強風・振動による負荷
●腐食防止の全体塗装を30年間未実施
●「近接目視」で点検の未実施
【事故による影響】
和歌山市の約6万戸が1週間近く断水し、約14万人の生活に大きな影響。
壊れた水道管の復旧に約7ヵ月かかった。

明治用水 大規模な漏水事故(2022/5/17)

上流側の堰(せき)と下流側の川底で、コンクリートと土砂の境目で穴が開き、地下でつながったことで漏水が発生。
漏水箇所に砕石を投入し、穴をふさごうとしたが変化はなく、5月17日に漏水拡大した。
※現状回復まで、年単位の期間を要する可能性がある。

【事故の要因】
●施設の老朽化
(造成から60年以上が経過)

【事故による影響】
安城、豊田、岡崎、知立、刈谷、高浜、碧南、西尾各市など約5400ヘクタールの農地(主に水田)へ水を供給しているため、田植え時期の影響。工業用水の供給が優先されたため、農業用水の給水が停止された。

以上の事故事例からも分かるように、事故が起こってしまうと「水道・ガス・上下水・電気・通信」などのインフラが機能しなくなり、私たちの生活に影響していることが伺えます。

水インフラの老朽化による事故1位
道路」の陥没事故

水インフラの老朽化で一番事故が発生しているのが、私たちの身近にある「道路」の陥没事故です。
道路の下にある下水管路などの地下埋設物に起因する小規模な陥没が頻繁に発生しています。

施設の現状
● 令和2年度末における、全国の下水道管渠の総延長は約49万km。
● 標準耐用年数50年を経過した管渠の延長約2.5万km(総延長の5%)が、10年後は8.2万km(17%)、20年後は19万km(39%)と今後は急速に増加します。
● 令和2年度末で約2,200箇所ある下水処理場でも、機械・電気設備の標準耐用年数15年を経過した施設が約2,000箇所(全体の91%)と老朽化が進行しています。 

※出典:国土交通省「下水道の維持管理」

道路陥没事故発生件数(令和2年度)

都道府県1,075件中、約6割の道路施設が原因の陥没事故が発生しています。
(出典:道路局調べ)

事故のニュースや道路陥没データのすべてにおいて言えることは、老朽化の現状調査を怠ったことで事故が発生してしまったということ。
定期的な点検や事前の調査をしっかり行っていれば、防げた可能性があります。

まず最初に大切なことは、「原因となる劣化を事前に見つけること」
事故を未然に防ぐ対策として「減災調査」をお勧めしています。

根幹の問題・不良を発見する「減災調査」

下記のトラブルが発生している場合は、下水道管路や埋設管内で劣化やトラブルが発生している可能性が考えられます。

まずは管内の「小さなほころび」を見つける!

  • 雨水管に排水の水が流れ出している
  • 場外に水が漏れ出している
  • 排水の流れが悪い。詰まることが多い
  • 地面が陥没している(地盤沈下)
  • コンクリートがひび割れてきている

事故発生前にはかならず予兆があります。

冒頭に紹介した「福岡県博多駅前 道路陥没事故」は、作業員が地盤崩落の兆候に気付き、その後、坑内で異常出水を確認したため、住民や作業員を避難し、道路を封鎖しました。
その後、地上道路に亀裂が発生し、最終的に縦横約30メートル、深さ約15メートルの巨大な穴となった大規模の陥没事故になり、大規模事故の怖さを感じます。

「見えないから分からない」「事故が起こってから対処すればいい」ではなく、その後に伴うリスクを考えたうえで、重大事故発生前に一度「減災調査」をしてみてはいかがでしょうか?

減災調査のご提案

弊社のお客様から、様々なご相談をきっかけに減災調査を実施させていただいています。
ご提案できる各種調査をご紹介いたします。

-特に多いご相談事項-

  • 水質汚濁防止法に引っかかっていないか知りたい。
  • 処理場に不明水が流れてきた。誤接管調査をしたい。
  • 流入量が増えたので、調査したい。
  • 布設してから30年以上立っている。劣化具合を知りたい。
  • 亀裂や陥没が気になる。
  • 安定的な施設運用のために修繕計画を立てたい。

1.カメラ調査

下水管内を調査するためのカメラ車で、車両に搭載されたオペレーター室にて遠隔操作でカメラを操作し、管内の異常箇所を調査します。人が入れない管内もカメラ調査で劣化や不良を発見できます。

導入した「ロビオン」は対応管径が最小Φ100 ~最大Φ2200まで対応可能!

2.空洞調査

マイクロ波を活用し、路面化の空洞を発見し、、陥没事故や橋梁床抜け落ちを未然に防ぎます。また、埋設物の位置を確認し、マッピングも行います。

3.超音波調査

下水管内壁面の劣化状況を、超音波を
用いて調査します。また、コンクリートの肉厚、鉄筋ピッチ、かぶりも調査します。
壁面を削ることがないので、再度埋め直す必要がなく、通常の劣化診断に比べて短時間で調査を終わらせることができます。

4.劣化診断(強度診断)

インフラの長寿命化を支える劣化診断。
コンクリートに表面に打撃を与え、返ってきた衝撃によってコンクリートの強度を推定する調査方法です。実際に下水管に入り、壁の劣化度合いを調査します。

5.中性化試験

コンクリートからコアを採取し中性化深さを調査します。他にも圧縮強度等の調査も可能です。

6.誤接続調査

用途の違う配管を間違って接続していないかを調べる調査で、染料・送煙等の調査方法があります。

何かトラブルが起こってからの対策ではなく、
未然に防ぐ減災調査をお勧めします!

減災調査は、先回りをした設備保全・維持管理が可能で様々なリスクを回避できます。

  • 不具合や事故の最小化・防止
  • 怪我・死亡事故防止
  • 事故による賠償リスク回避
  • 総合コスト縮減
  • 生産活動のダウンタイム回避
  • 生産現場の安全確保
  • 計画的な修繕計画策定(ストックマネジメント)

まとめ

公共道路の下水道管路はもちろんのこと、工場や敷地内に埋まっている埋設管、排水管も調査が対象となる施設です。
経営者様、施設責任者様、設備担当者様には、「減災調査」で老朽化の進捗状況を把握しながら、今後の継続的な維持管理や長期的な修繕計画策定に活かしていただきたいと思います。

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お客様の事業形態によって提案できるプランはさまざま。
現状をしっかりと見極め、最適なプランをご提案できるようにしっかりとヒアリングを実施したうえで、計画から運用まで一生涯のサポートをさせていただきます。

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