東産業は生活排水・工業排水を浄化する施設や
下水道管路、水処理場の施工・維持管理を通じて地域の水環境保全の一翼を担ってきました。
激変する気候変動や、老朽化する水関連施設のなどの
中長期の課題に対し、これまで培ってきた技術と経験を活かし、
地域パートナーと協創しながら、持続可能な水環境づくりに貢献していきます。
さらに、ニューノーマル時代のライフスタイルに対しても、
社員全員で知恵を絞り、丁寧な企業運営を実践していきます。
本業における施工品質(水処理、浄化槽)の向上や社員教育、資格の取得などを通して、水環境向上や保全に取組んでいますが環境を保全するためには、水の利用者である住民や企業の協力も不可欠です。
そこで、当社は、水環境の保全をより一層進めるために、水の利用者の方へ水を大切に使うための方法や正しい知識をお伝えし、事業者である当社と水の利用者が協働で、地域の水環境を守る地域づくり(関係)を目指しています。
1)出前授業
小中学生の社会科の学習指導要領に合わせた生活排水処理の仕組みの解説を行っています。
説明するだけではなく、実際に水をきれいにする微生物の観察や処理する前後の水の比較、水質実験など体験しながら学ぶことができるプログラム作りを心掛けています。
また、地域に密着した企業の強みを活かし、授業を行う学校や生徒が暮らす地域の排水処理システム(下水地域、浄化槽地域、農業集落排水施設、コミニティプラント)に応じた解説に加えて、浄化された水や放流先の河川の様子、自然環境についても授業内容に反映させます。
下水(生活排水)を観察する様子。実際に、洗濯後の水、洗い物をした後の水を混ぜ合わせながら下水を作る体験を行います。
そうすると下水にどのような汚れが溶け込んでいるのか、下水処理施設にどのようなものが流れ着くのかイメージしやすくなります。
スライドを使って、下水をきれいにする仕組みを解説する様子。
施設の写真に加えて、処理場の様子やきれいになった河川の様子を記録した動画なども積極的に使用します。
下水ときれいになった水を比較する様子。
きれいになった状態を目で見たり、臭いで感じるような体験も取り入れています。
2)環境イベント
自治体が主催する環境イベントに出展し、主に生活排水処理の仕組みや地域河川の保全についてパネルや映像を使って説明します。
また、対象に応じて、パネルを見ながらクイズなどができる参加型の要素の追加や水環境と関連した記念品づくりも行います。
近年は、排水処理システムによって、維持されている地域環境の魅力や価値を身近に感じていただくために、イベント時に河川の魚類や水生生物の展示も行っています。
下水処理場の微生物について紹介する様子。
微生物を入れたビーカーを見せる様子。
微生物は、肉眼では確認できませんが微生物が暮らす槽の水は、特徴的な色(茶色)のため、紹介しています。
下水処理場できれいになる前後の違いを簡易実験で確認する様子。
体験的な要素も取り入れています。
河川や調整池に堆積した汚泥を取り除くことは、水質や悪臭の改善、生物多様性保全上必要な作業ですが施工方法によっては、環境の破壊(希少種の生息地、外来種の流出などを)や地域住民へ不安を与えてしまいます。
そこで、当社は、地域の行政やNPOらとの環境ネットワークを活かし、工事予定場所について、施工前に調査やヒアリングを通して、環境影響や地域からの要望を把握し、環境負荷を最小にとどめるための取組を行っています(東産業型環境アセスメント)
また、上記内容について、三重県から「公共的な利益に役立つ取組みである」とご評価をいただき、本事例を地域へ波及させるため、三重県が主導で、三重県、大和ハウス工業株式会社三重工場、特定非営利活動法人NPOちょっと自然、弊社の4社と「みえ生物多様性パートナーシップ協定」を締結し、三重県北勢地域を中心に、外来種の流出対策を取り入れた工事の実施や外来種問題を普及啓発するための自然観察会・環境保全工事を開催しています。
1)東産業型アセスメント
河川や調整池などの工事予定箇所について、事前に文献や現地調査、専門家へのヒアリングなどを行い、どのような環境に配慮するべきか明らかにした上で、環境保全と施工方法を決めます。
この一連の流れを「東産業型環境アセスメント」と呼んでいます。
調査した結果は、第三者と共有できるようGIS(地理情報システム)による情報処理や工事場所への掲示など行います。
工事予定箇所で自然環境の調査を行う様子。
底生生物や魚類の生息状況に加えて、野鳥、昆虫、植物など幅広い分野から調査し、近隣の生態系とのつながり(生態系ネットワーク)の視点から環境配慮を検討しています。
調査結果や環境配慮の内容を周知する様子。施工期間中に、市民らの関心が高い工事においては、このような看板の設置を行い施工内容の透明性確保に努めています。
ドローンなどを活用し、多角的に自然環境を分析し、工事の環境配慮に活かしていきます。
外来種による生態系に対する影響などを解説する様子。
実際に、外来種の胃袋の中身を確認した経験などを事例に、在来種への影響などについて説明します。
地域の河川に生息する生き物観察会の様子。
観察できた生きものから、水がどれぐらいきれいなのか考えるきっかけを子どもたちに知ってもらう取組みとして毎年実施しています。
2021年は、新型コロナウイルスの関係で対面イベントではなく、オンラインイベントとして開催しました。
捕獲したウシガエルを子どもたちと観察する様子。外来種といっても1つの命です。
駆除する前の生物に触れ、外来種を持ち込まないことやむやみに野に放ってはいけないことを学びます。
2)他支援CSR活動
水環境の環境保全は、一社単独の事業活動で、達成されるものではありません。
水環境と関わる多くの行政や企業、市民らの協力と理解が不可欠です。
弊社は、水環境の保全や持続可能な社会を創造するため、本業である排水処理及びインフラ等の維持管理事業において、独自の環境配慮工事の導入やCSR活動を行ってきました。CSR活動では、水環境の魅力や課題等を環境学習の場で発信してきました。しかしそれだけでは、広域に及ぶ水環境の保全は達成することが困難だと考えるようになりました。
そこで、水環境の保全というテーマと合致する他社のCSR活動やNPO活動について、弊社の技術、経験等を活かすことができるものについては、積極的に支援し、水環境の保全を促進していきたいと考えています。
自然環境を活用したCSR活動を企画する上で、自然環境の現状を把握することは大変重要です。
弊社は、自然環境の現状を調査し、対象となる場所とその周辺の状況からどのようなCSR活動がお客様とお客様のステークホルダーにとって有益なのか検討し、CSR活動の企画提案を行います。
●CSR活動(生物多様性保全活動)を企画・・・対象の河川で生物の状況を調査する様子。調査は、対象地とその先の河川でも行い、生物の往来や関連などを調べます。
●ドローン調査・・・対象地が湿地である場合は、ドローンを使って、測量など行うことがあります。
CSR活動を通して、整備された環境の価値を維持するためには、維持管理が欠かせません。
生物のモニタリングや水質分析などを行い現状を見極め、手を加えた方が良いと判断した場合は、植物の剪定、池の水替え、落葉等の除去、生物の追加・間引きなど行います。
●水質分析・・・水質の変化など把握しながら環境の現状を評価し、必要に応じて、維持管理内容の変更を行います。
●木々の剪定・・・対象地の環境バランスを考えて、増えすぎた植物などは間伐していきます。多様な環境を維持するためには、導入した生物の調整が不可欠です。
CSR活動の対象となる人工的なビオトープや里山などそれぞれの環境を改善し、生物多様性の高い空間となるような工事を行います。
自然環境調査の結果を踏まえて、対象地が地域の環境と連続性を持つ空間となるようにしていきます。
東産業では、日頃お世話になっている地域の皆様・お客様へ感謝の意を込め、地域ボランティア活動に全社一丸となり精力的に取り組んでいます。
東産業では、これまで災害時(地震・台風被害)に 「何か被災地のためにできないか」と考え、多岐にわたり 災害支援活動を行ってきました。
現地に出向き、下水道清掃・TVカメラ調査、仮設トイレの くみ取り等で現地支援に参加。また救援物資の支給、寄付金 の回収など社内でも寄付を仰ぐなど、多方面での支援を 行いました。
東北地方太平洋沖地震では、被災地支援の ひとつとしてバキューム車輌1台を被災地に寄贈いたしました。
この度、弊社のCSR・SDGsの取組みをバーチャルに体験をしていただける「東CSRルーム」を開設しました。
今後は、CSRルームを使って、非接触なCSR活動を含めた様々な企画を考えておりますのでご期待下さい。
※対応しているデバイス/ブラウザはMicrosoft Edge、GoogleChrome、Firefox、Safariの全て最新バージョンを推奨しています。