浄化槽事業 2022.09.27
浄化槽には単独処理浄化槽と合併処理浄化槽の2種類があります。今お使いの浄化槽はどちらでしょうか?どちらを使用しているか分からない場合は、以下の方法でチェックしてみましょう!
区分 | 合併処理浄化槽 | 単独処理浄化槽 |
マンホール |
3つ |
2つ |
ブロワ | 風量:60L/分以上(5人槽~) | 風量:40L/分(5~25人槽) |
※分からない場合は委託している浄化槽維持管理会社にご確認ください。
もし、ご自身のご家庭が「単独処理浄化槽」の場合は要注意です。単独処理浄化槽ではトイレ以外の汚水(台所、お風呂、洗濯など) はそのまま川にたれ流しにされ、環境汚染の原因になっています。
実は「単独処理浄化槽」は平成13年4月1日の浄化槽法改正により、生産や新設は禁止されています。そのため、「単独処理浄化槽」を未だに使用している方に対して環境省は「合併処理浄化槽」への入替えをお願いしています。合併処理浄化槽は家庭から出た汚れた生活水をすべて浄化してくれます。とても環境にやさしい浄化槽ですので、私たちからも入替工事をお勧めしています。
合併処理浄化槽から単独処理浄化槽に転換すると具体的にどういったメリットがあるのでしょうか?整理してみると次のようになります。
トイレはもちろん、お風呂や台所、洗面所や洗濯排水まで、家庭から出るあらゆる水を浄化することができます。
生活排水の1人が1日当たりに出すBOD量(汚れの量)は40gと言われています。 単独処理浄化槽の性能はBOD除去率55%以上なので、トイレの汚れが13gから5gに減ります。しかし、27gの生活雑排水はそのまま流されるため、合わせると32gにもなってしまいます。これに比べて合併処理浄化槽はBOD除去率90%なので排出する汚れは4gとなります。両者を比べると、単独処理浄化槽から合併処理浄化槽に変換すると汚れが8分の1に減ることになります。
また、合併処理浄化槽は下水道施設と同等の処理能力があり、優れた浄化槽です。
(出展:環境省)
トイレ排水は特有の臭いが出る事もありますが、お風呂の排水などで薄まるので臭いが軽減されます。
家庭用の単独処理浄化槽は1槽か2槽しかありません。入った水が浄化槽にとどまる時間が少ないため、使用状況や浄化槽の状況で水質が悪くなりやすい構造です。
それに比べて合併処理浄化槽の中は2~4槽に分かれており、数段階に分けて汚水を浄化する仕組みとなっています。また、単独浄化槽に比べて汚水の貯容量も多くなっています。
一度に多くの汚水を流しても、放流口に近い浄化された水から出ていくため、放流あれる水質が急に悪くなることはほとんどありません。
(※メーカー、使用人数によって異なります)
浄化槽に付属する配管や桝(ます)、送風機が新しくなるので、トラブルが改善することがあります。
単独処理浄化槽ではトイレ排水以外の排水はまったく処理せずに川へ直接流しています。合併処理浄化槽では生活排水すべてを川に流せるほどきれいにしてくれるので、悪臭や害虫の発生も抑えられ、側溝や河川など家のまわりの水環境を保つことができます。
メリットが多いようにも思えますが、単独処理浄化槽から合併処理浄化槽に転換する際、事前にご理解していただきたい事があります。まとめると次のようになります。
今お使いの単独浄化槽がどのようなタイプのものかにもよりますが、点検回数が増えることによって年間の管理費が増える可能性があります。
敷地内での工事が発生します。工期は1ヶ月程度です。
ただし、工期や工事中の注意事項などは各工事業者で異なりますので、契約時にしっかりと確認しましょう。
設置されている浄化槽の種類、サイズ、汚泥の量、水質の状態により各回数は異なります。詳しくはこちらをご覧ください。
点検回数が増えることによって年間の管理費が増える可能性があります。
上記のことをしっかりと理解したうえで、合併処理浄化槽への入替工事を検討していきましょう!
市町村によっては転換工事に補助金を利用できるところもあります。補助の内容は市町村によって異なりますので、詳細は市町村の浄化槽担当窓口にご相談ください。
なお補助金制度は、予算に達してしまうと予定よりも早く受付を終了する場合がありますのでお早目のご検討をお願いします。また、工事業者に相談やお見積りを依頼することをお勧めしています。
では、具体的にはどのような補助金制度があるのでしょうか。
三重県四日市市と菰野町の補助金をご紹介します。
補助対象区域 |
下水道事業計画区域外 及び 下水道事業計画区域内で7年以上の区域 (数字は公共下水道施工予定年度までの期間) |
補助対象建築物(10人槽以下) |
専用住宅・地区集会所・併用住宅 |
補助対象建築物(11~50人槽) |
専用住宅・併用住宅 |
人槽区分 | 新築補助金 | 転換補助金 |
---|---|---|
5人槽 | 180,000円 | 540,000円 |
6~7人槽 | 231,000円 | 642,000円 |
8~50人槽 | 292,000円 | 765,000円 |
※四日市市以外の市町村は居住地の市役所に補助金の有無をお問い合わせください。
※補助金には対象エリアがあります。下水道事業計画域に入っている場合は対象外となります。
※工事価格は立地条件により異なります。見積もりは無料ですのでお問い合わせください。
補助対象区域 |
下水道等の供用区域を除く市内全域。下水道等の供用区域は以下のとおりです。 ・公共下水道供用開始の公示済区域 ・農業集落排水処理施設の供用開始の告示済みの区域 ・コミニティ・プラントの供用開始の告示済みの区域 ・団地等の集中処理浄化槽区域 |
対象者 |
以下の条件をすべて満たしている場合。 ・四日市市内の下水道等の供用区域外に合併処理浄化槽を設置していること。 ・自己が居住している専用住宅又は併用住宅(延べ面積の1/2以上を自己の居住の用に供し、非居住面積が50㎡以下であること。)なお、借家に居住している者が浄化槽を維持管理している場合 ・年度を通じて適正な管理を行っていること。 法定検査(11条)・・・年1回 保守点検・・・4ヶ月に1回以上(人槽、処理方式によって異なる場合があります。) 清掃・・・年1回以上 ・法定検査(11条)の結果が「適正」又は「おおむね適正」であること。 |
人槽区分 | 新築補助金 |
---|---|
5~6人槽 | 16,000円 |
7~9人槽 | 18,000円 |
10~50人槽 | 22,000円 |
補助対象区域 |
次の地域を除いた菰野町の地域 ・水道事業計画に定められた予定処理区域 (「下水道事業計画区域」のこと) ・農業集落排水事業計画区域 ・大型合併処理浄化槽を利用している区域およびその利用が計画されている区域 |
補助対象 |
1.専用住宅等(主に居住の用に供する建物、または延べ床面積の2分の1以上を居住の用に供する建物)に設置される10人槽以下の合併処理浄化槽 2.専用住宅等または共同住宅に設置される11人槽以上50人槽以下の高度処理型合併処理浄化槽 |
補助対象となる合併処理浄化槽の要件 |
1.合併処理浄化槽 生物化学的酸素要求量(BOD)除去率が90%以上であって放流水のBODが20mg/ℓ(日間平均値)以下の機能を有すること。 2.高度処理型の合併処理浄化槽 BOD除去率が95%以上であって放流水のBODが10mg/ℓ(日間平均値)以下で、総窒素濃度が20mg/ℓ以下の機能を有すること。 ※既存の単独処理浄化槽またはくみ取り便槽を全撤去し、補助対象の合併処理浄化槽に転換する場合は、その撤去にかかる費用に対して加算補助を行います。 |
補助条件 |
1.浄化槽法に規定する構造基準に適合すること 2.浄化槽法に基づく届出の審査または建築基準法に基づく確認を受けたもの 3.補助金を申請した年度内に設置を完了するもの 4.建物を借りている場合は、賃貸人の承諾が得られたもの(交付申請書に「貸主の承諾書」を添付すること) 5.建売住宅にあっては、必ず工事着工前に事前協議書を提出すること 6.申請時には、浄化槽設置に関する工事を一切していないこと(現場確認時に工事が実施されていると補助の対象になりません。) 7.国、県補助対象事業費の枠内のもの 8.放流先が確保されていること |
人槽区分 | 新築補助金 | 転換補助金 |
---|---|---|
5人槽 | 166,000円 | 332,000円 |
6~7人槽 | 207,000円 | 414,000円 |
8~10人槽 | 274,000円 | 548,000円 |
11~50人槽 | 274,000円 | 548,000円 |
対象者の条件 |
次の条件をすべて満たしている場合。 ・ 町内の下水道等の供用開始区域外に合併処理浄化槽を設置していること。 ・申請者が居住している専用住宅または併用住宅に合併処理浄化槽を設置していること。 併用住宅の場合は、延べ面積の2分の1以上が居住部分かつ非居住面積(店舗・事務所等)が50㎡以下の場合のみ対象です。共同住宅、事務所などは対象外です。 ・ 年間を通じて適正な管理を行っており、法定検査の結果が「適正」または「おおむね適正」であること 保守点検…4か月に1回以上(人槽、処理方法によって異なる場合があります。) 清掃…年1回以上 法定検査(11条)…年1回 (注)「不適正」の場合には補助対象外となります。 第7条法定検査(浄化槽を新設し、使用開始から3~8か月以内に受ける検査)は補助対象外です。 ・ 町税の滞納がないこと。 |
人槽区分 | 新築補助金 |
---|---|
5~6人槽 | 11,000円 |
7~9人槽 | 12,000円 |
10~50人槽 | 15,000円 |
単独処理浄化槽から合併処理浄化槽を設置するまでにどのような項目が必要となるのかご説明します。
※工事期間は目安です。天候や日程により変更となることがあります。
※工事初日の朝~日中は排水できなくなりますが、夕方以降はすべての排水が可能となります。
※工事中は仮設トイレを別途手配可能です。
川が汚れる原因は、使っている浄化槽が影響していることを知っていただけたかと思います。ぜひ、環境にやさしい「合併処理浄化槽」を使っていきましょう。
また、入替えたから「はい、終了!」と安心してはいけません。
浄化槽を長く安心してお使いいただくためには、維持管理(点検・清掃)もしっかりと行うことが必須です!
各種機能が適正に機能しているか定期的な点検(水質測定、配管の確認、機械の確認、消毒剤の補充など)、槽内に蓄積された汚泥の清掃を行い、浄化槽本来の機能を維持していきましょう。
弊社では、三重県、四日市市、鈴鹿市、津市、三重郡(菰野、川越)、伊賀市、名張市エリアの新設・入替工事、維持管理のご契約・ご相談を受け付けております。
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